薪ストーブの薪を作る上で、チェーンソーは欠かせないと思います。
そして、チェーンソーを使い薪を作っていると、いつか農家の方などから「木を倒して持っていって欲しい」と言われる日が来ます。
突然こんな事言われたら困りますよね。
その際に、倒し方のコツをわかっていないと怪我をするどころか最悪の場合、死亡事故に繋がります。
以下に木の倒し方の方法をまとめました。
今回はりんごの木をテーマに木の倒し方を解説させて頂きます。
わたしは薪ストーブを2007年から使用していて、その全ての薪を自作しています。
その薪の9割以上は、農家の方からの果樹の木になります。
その中で、農家を辞めるから切り倒して欲しいという話が何件もありました。
その経験から危険ポイント、苦労したポイントを解説させて頂きます。
それでは順番に解説していきます
木の倒し方
今回はりんごの木で解説します。
りんごの木は、樹形からも想像出来ますが、繊維が真っ直ぐではありません。
薪割りをされたことがある方でしたらわかると思いますが、手斧では割れません。
わたしも2〜3年は頑張りましたが、今では薪割り機を使用しています。
そのような木で、また果樹の収穫のし易さの観点からも、枝が四方に張っています。
この状態から株元で切り倒すのはおすすめできません。
理由は次の項目で解説させていただきます。
危険予知ポイントを予測する
例えば、「枝を切った際に跳ね返って自分に飛んてくる」や「切った木が回転して思わぬ方へ倒れた」など、危険予知をしないと大変な事故が起きてしまいます。
特に果樹の場合は、枝が四方に張っているため、木を倒した際どう動くか予測しにくいです。
重心を予測して反対側から切ったのに、倒れる際に回転して自分の方向に倒れることもあります。
実際にわたしも経験しましたが、避けることはできず、ただ目を瞑ることしかできませんでした。
(わたしはバスケをしていて瞬発力は高い方だと思いますが、それでもです!)
その際は幸い、頭をかすめただけで済みましたが、「やばい!」と肝を冷やしましたね。
幹を切り落とす
木を株元から切り倒す前に、幹を切り落とします。
そうすることで、倒れるときに回転して暴れることが無く、倒れるイメージを想像できます。
では、実際の写真で安全に切り倒す方法を解説します。
以下が実際のりんごの木です。
↑この木の幹を順番に切り落とし、重力に沿って真下に落としていきます。
このように真下に木を切り落とすと、幹が生えていた状況がわかりますね。
このように切り落とすことができると安全です。
そして、最後に株元から切り倒します。
↑真下に切り落とすことにより、幹が重ならず、玉切りが容易です。軽トラで運んでから別場所で玉切り予定のため70cm~110cmでカットしました。(薪長さ37cmx3=110cm)
りんごの幹の切り方解説
それでは、幹の切り落とし方の方法の解説をさせて頂きます。
正しい例
まず以下の画像のような入り組んだりんごの木があります。
↑この画像の赤線部を切り落としていきます。
その内の1か所で解説していきます。
危険予知の観点から、真下に切り落とすために最初に裏側に切り込みを入れます。
ただし、チェーンソーの上部で切断するため、キックバックに気を払い細心の注意をして下さい。
この位、切り込みをしておくとOKです!
あとは上から普通に切っていくだけです。
このように真下に幹が落ちます。
切り口は、このような感じです。
失敗例
同じく幹を切り落とす方法の失敗例も解説します。
成功例の下から切り込みを入れないで、上から切った場合です。
このように幹が切れ落ちる前に幹の下の部分が、重力(モーメント)に耐えきれずに破断してしまいます。
今回は細い幹で撮影をしましたが、これが太い幹の場合怖いですよ。
またこのようになった場合、破断した場所を切るとチェーンソーの刃が食い込みます。
離れた場所(支点側)で、下に切り込みを入れ、上から切ると問題なく切り落とすことができますよ。
木の倒れる方向を予想する
まず、果樹の木は地面から1メートル位、上の位置で切ります。
これは、抜根する際にこの1メートル部分が必要だからです。
そして木を切る際、木が倒れる方向でチェーンソー作業をしていたら、そのまま木の下敷きになってしまいます。
このために倒れる方向を予測します。
杉など真っ直ぐに立っている木の場合
倒したい方向に切り込みを入れると、倒れる方向を操作出来ます。
(果樹の木でも、近くに道路や電柱など倒したくない方向がある際は、この方法を使用します。)
果樹などの曲がった木の場合
本来、杉などの真っすぐな木の切り方同様に、切り込みを入れると安全に倒せます。
しかし、その分手間がかかります。
そこで、作業効率の観点から、果樹などの低い木の場合は切り込みを入れずに、真っすぐ水平に切ります。
重心がどちらにあるか?予測する
そこで大切になることが、重心の予測です。
重心がどこか?を考えると重心側に木は倒れるため、考えることが大切です。
この場合は、左側の幹が太く重たいため、重心は左側にあります。
右側から切ると左側に木は倒れるため安全です。
木が細い場合は気が緩み、重心を気にせず倒しがちです。
すると、体は避けることができますが、チェーンソーの刃が食い込んでしまい苦労します。
おっとうは何度も経験していますが、チェーンソーが食い込むと、木を押したり、持ち上げないと抜けないから意外と苦労します。
細い木でも、重心を考えながら作業すると安心ですよ。
また、これは幹を切り落として裸にした木でも、重心を意識すると安全に、またチェーンソーの刃が食い込まずに切り倒すことができます。
おすすめの道具紹介
アルミ製三脚脚立
ここまでの作業工程の中で、幹を切り落とす工程がありました。
チェーンソーで作業をする上での基本として「目の高さより上で作業をしない」があります。
しかし、目の高さより下ではほとんどの幹を切ることができません。
そこで、脚立を紹介したいと思います。
農家の方がよく使用しているこのタイプですが、軽くて扱いやすいです。
わたしも同じものを使用していますが、使い勝手がいいですよ。
ヘルメット
木を切り倒す以上は、やはり危険はつきものです。
そして、何よりも頭部の保護は欠かせません。
この商品は25.9デシベルまで防音のイヤーマフが付き、正面のフェイスシールドは、丈夫なステンレススチールメッシュ仕様となっています。
プロの方も使用するおすすめ商品です。
まとめ
今回解説した方法は、ヒヤリとする危険な体験をすると予測できることが殆どです。
しかし、あらかじめ知っておくと、危険な経験をすることが激減します。
チェーンソーを使用しての作業は重大事故に繋がります。
初めのうちは無理をせず作業をすることを心掛けて下さい。
また適度な休憩をはさむことを忘れずに、集中して作業してください。
切り倒し方を理解しても、切れないチェーンソーを使用していると作業は終わりません。
そろそろチェーンソーを新調するタイミングかもしれませんね。
そこでおすすめチェーンソーの記事も併せてご覧ください。
皆さんの参考になれば幸いです。
ご閲覧いただきありがとうございました。