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岩と雪の殿堂「剱岳」テン泊山行一泊二日

北アルプス

「一度は登ってみたい『日本百名山』ランキング」(2023年8月~9月ねとらぼ調べ・回答数1071票)で1位に「剱岳」が選ばれました。

今回2023年の夏山シーズンが終わるということで、山行に行ってきましたので解説させて頂きます。

また剱岳は鎖場の連続する上級者コースです。経験を積み、3点支持などの技術、装備がある方のみ挑戦して下さい。

以前、同じく上級者コースの「不帰の儉(キレット)」に行った際の山行記事も宜しければご覧下さい。

剱岳とは?

日本百名山の1つで、北アルプス後立山連峰を歩いていると常によく見える、登山家憧れの山です。

「剱」の名の通り険しく尖った、難易度の高い山となっています。

映画「点の記」のモデルとなった山であり、「いってQ」のイモトの登山部の雪山合宿でもお馴染みの山ですね。

ハチワレ
ハチワレ

映画もいいけど、本で読むとまた違った視点でいいですよ!

今回の山行計画

予定は2023/9/23~24の秋分の日の祝日。
1泊2日テン泊計画のため、1日目に室堂の登山口に入ることになります。
長野県側から行く予定なので、この時期の扇沢の始発時刻は7:30。
室堂到着は早くも9:00頃となります。

高度順応を少しして、登山開始し、遅くもテン場に15:00着の計画をたてると、室堂〜雄山(立山)〜別山〜剱沢テン場が良さそうと思いました。
※立山は雄山・大汝山・富士の折立からなり、主峰は雄山。

そして翌日剱岳に登り、剱御前に寄り、扇沢から帰ってくる計画を立てました。

剱岳は鎖場が渋滞することで有名な山のため、計画段階から2日目は帰ることを最優先で考えました。
帰りの室堂発扇沢行最終便は16:30。

活動時間12:35 距離18.2km 上り2223m 下り2235m

1日目

車で扇沢へ向かい、7:30の始発に乗り室堂へ向かいました。

扇沢の詳細はこちらご覧下さい。
駐車場情報など詳しく紹介しています。

室堂到着後トイレやストレッチをし、体を高度順応させてから登山開始です。
※ケーブルカーやロープウェイで一気に高度を上げているため、高山病にかかりやすくなっています。
直ぐに動かず、しっかり体を高度順応させましよう。

登山開始

綺麗に整備された道から登山開始です。
この辺りは観光客の方も沢山いらっしゃいます。

整備された道を雄山に向けて歩くと、「一ノ越山荘」。
ここからは登山道となります。

ガレていますが問題ありません。
少し登ると雄山頂上です。

雄山山頂

こちら本当の頂上は鳥居の奥にあり、参拝料を支払わないと行けません。
今回はパスし、そのまま次の大汝山・富士ノ折立へ向かいました。

この日の天気予報は、わたしの見ている4つのサイト中2/2の確率で「曇り」と「小雨」になっていました。

実際の山行中はほぼガス。
眺望が無くテンション上がらないと思う中、北アルプスのガスと言えばの雷鳥と出会いました。

足元は白く冬支度を始めています。
結局この日は雷鳥5羽とご対面出来ました。

雄山から先も特に危険な箇所は無く、天気が良ければ絶景なんだろうなと思いながら歩いていました。

※この稜線は日本三大カールの山崎カールの稜線です。
この左下には雷鳥沢キャンプ場があります。

ただ、9月月末の陽の当たらない立山稜線は、風が吹くとかなり寒かったですね。
この時期行かれる方は、ダウンジャケット必携です。

そのまま真砂岳、別山、別山(北峰)へと向かいます。

別山から今日の宿泊地、剱沢テン場まで一気に下りますが、この時、剱御前小舎にハートの形の雪渓を見つけ写真を撮っていたら、分岐を見落とし道を間違えてしまいました。
皆さんお気を付けください。

そこから分岐まで戻り、剱沢テン場へ下っていきます。
この時、雨が当たって来たので慌てました。

剱沢テン場

13:30着。受付のため管理小屋に行くと、管理人さんに貴重な情報教えて頂きました。
以下にまとめます。

テント 受付前にテントを張ってOK。
張ってから、受付に行きましょう。
予約いらないです。
公式でも謳っています。
料金1,000円/1張 安いですね。
水場無料。管理小屋前に1つ。
塩素消毒してあるためそのまま飲めますが、自己責任でお願いしますとのこと。
トイレバイオトイレと汲み取りトイレがそれぞれあります。
「バイオトイレの方が新しめですが、大便が詰まりやすいため汲み取りをおすすめします」と案内して頂きました。
売店なし。
登山道10分の剱沢小屋まで買いにいかなければなりません。
管理所と診療所が併設されています。
バイオトイレ

と、ここで、管理人さんから剱岳の混雑情報を教えて頂きました。

先週の週末(9/16.17.18シルバーウィーク)はカニのタテバイで1時間待ちの渋滞が発生したらしい。
明日中に室堂から帰るなら朝4:00には出発した方がいいとのこと。
※カニのタテバイとは剱岳登りの難所で、ほぼ垂直な岩場の鎖場を登る場所のこと。

貴重な情報教えて頂きました。

受付前にテントを張っていいことは知らなかったので、今回は通常通り料金お支払い後テントを張りました。

晴れていれば目の前に剱岳

明日暗い内に出発するつもりだったので、トイレからあまり遠くないところにテントを張ります。
小雨の中急いで張り、剱沢小屋まで買い出しに行きました。

高低差のある道なので大変。
一度で済むようにした方が良いですね。

赤い屋根が剣沢小屋

テントに戻り、ランチをしながらスマホを充電しようとしたら、何故かモバイルバッテリーが反応しません。
どうやらケーブルがダメらしく充電出来ません。
明日スマホが無いのは困るので、必要最低限で触らないようにしたため、外は雨。
やることなく只々寝て朝をむかえました。

夜7時、目が冷め、外を見ると雨がやみ、剱岳が初めて見えていました。

2日目

2:30起床。
ただ、寒くシュラフから中々出られません。
ダラダラ過ごしてしまい、2:50朝食。
用意をし3:30剱岳へ向け出発。

辺りのテントもライトが点いていた為、皆さん起きていますね。

ブラックスタートになりましたが、白のペンキでマークをしてあるので、ライトを当てると光り、分かりやすいです。

ただ、剱沢小屋〜剣山荘間はブラックスタート時は道迷い注意です。

4:00剣山荘着。
ここからは小屋泊の方が何名かいらっしゃるので、心細くはありません。
またここからは登りで、道迷いの心配は大丈夫です。

最初の鎖場到着しますが、鎖がなくても大丈夫なレベルなので、暗くても問題ありません。

一服剱登頂。富山湾の夜景が綺麗です。能登半島の先まで夜景が見えました。

一度下って次は前剱に向けて登ります。

高度感もなく、また足場がしっかりしているので安心して進めます。
この先鎖を伝い下りますが、この辺りから少しずつ順番待ちの列が出来始めました。

下り終え、鉄製の橋を渡りトラバースした道を進むと、登りの難所「カニのタテバイ」です。

カニのタテバイ

ほぼ垂直な17mの壁に鎖が一本と、所々に足場となるボルトが数本。

出発を早くした為、待ち時間なしでタテバイにはいれます。

いざ、登ろうと登り始めますが、意外と高度感は感じず、また足場の岩が脆くもなくしっかりしているので、安心して登れます。

カニのタテバイ攻略のコツ

とにかく怖がらないこと。

常に渋滞する場所なので、先行して登っている人がいたら、どこに足を置いているか?シュミレーションをする。

実際に登ると鎖に頼らなくても登れるほど、岩をしっかりとホールドできます。

北アルプスや戸隠。八ヶ岳の鎖場を体験していれば大丈夫!

カニのタテバイを登る前に知っておくこと

三点支持を確実に!

三点支持とは手足4本の内、1本を除いた3本はしっかりと体勢が動かないようにキープしていること。常に動かすのは1本!

鎖場通過のマナー

先行して前に登っている方が、1本の鎖から離れたら鎖に取り付こう。

1本の鎖とは、岩に付けられた鎖の止め金と止め金の間のこと。

もし1つの鎖に2人が取り付いた場合、振られた鎖に振られ、事故が起きてしまうから。もし渋滞していても、絶対に守りましょう!

対策をとることで、タテバイは難なくクリア出来ます。しかしその次の鎖場の方が実は難所のような気がします。
それは、大きな岩と岩の間に鎖があるのですが、皆さん足が届かない。
わたしは体が大きいため大丈夫でしたが、「足が届かない」と皆さん苦労していました。

その後は危険個所もなく、山頂まで進みます。

剱岳山頂

山頂直下で太陽が昇りました。
東の方角は山頂の向こう側の為、登頂しないとご来光は見えません。

山頂でご来光を見るつもりではありませんでしたが、折角なので足早に向かいます。

5:50山頂登頂すると、太陽は少し登っていましたが、なんとかご来光的な感じは見ることが出来ました。
山頂には15人くらいは先客がいたでしょうか?

きっと剣山荘発でしたら3:30。剱沢テン場でしたら3:00発の方々だと思います。

稜線と写真撮って頂きました

景色を楽しみ、少しゆっくりしたら下山します。幸いこの下山路は上りと下りで、道が違う箇所が多いので、下山渋滞は起こりません。

只、下山の難所カニのヨコバイが直ぐにあります。

カニのヨコバイ

劔岳で一番緊張する箇所です。

様々な本にカニのヨコバイの一歩目が怖いと書いてあります。

いざ行くとわかりますが、確かに一歩目の岩場が見えないのです。

しかしよく見ると、ペンキで赤く塗られた足場があります。(足が置けるように岩が削られています。)体重を預けても崩れないしっかりとした足場です。高度感さえ感じなければここも難なく進む事が出来ます。

※両手で鎖を持つことはやめましょう。バランスを崩し体が揺れた際、止められず滑落します。必ず三点支持を意識し、鎖は保険で握るだけ。で進みましょう。

下山

カニのヨコバイが終わると難所はありません。

ただし、上って来た時同様に、「下山」ですが上り下りがあります。えてして難所が終わった、なんてことのない場所で滑落事故は起きます。最後まで気を抜かず進みましょう。

剣山荘に到着し、剱沢テン場へ戻る時、また道間違いをしました。歩いて行くと、山小屋は遠ざかるし、山を登るし何かおかしい?と。

マップを見ると、分岐をまた間違えました。10分進んでしまったので、痛恨のミスでした。

分岐まで戻り、ようやくテン場に着きました。

剱沢テン場

8:30テントに無事到着し、ランチを食べます。眼の前の剱岳が本当にカッコいい!今さっきまであの頂上にいたと思うと感慨深いです。

少し休み、テントを撤収したら室堂へ帰ります。というのも、この時点で、スマホの電池残量が10%を切っていました。何かあったら困るので、のんびりはせず帰ります。

剱御前小舎

少し登ると尾根上にある剱御前小舎に着きます。
本来ここから剱御前に登ろうと計画していましたが、スマホ残量が無いため、今回はスルーしました。このまま下り、雷鳥沢キャンプ場へ向かいます。

奥に見えるテン場が雷鳥沢。

草紅葉が綺麗な道を進みます。

雷鳥沢キャンプ

草紅葉の道を歩いているとようやく、雷鳥沢キャンプ場に到着です。

とても広く、綺麗なキャンプ場です。周りは綺麗な川が流れ、立山の壮大な山に囲まれた山崎カールに包まれています。

ここは登山者だけではなく、家族連れのキャンパーの方もちらほらいました。
いつか子供連れで来てみたい場所ですね!

ここからの道は観光客の方も多くいらっしゃいますし、石畳の階段の道となります。
これが地味に辛い。。
室堂までは階段地獄です。

みくりが池温泉

室堂まであと少し。という頃、みくりが池温泉に到着します。
今回温泉には入りませんでしたが、ソフトクリームを頂きました。
疲れた体に最高でした!

ここではスマホ充電切れのため、写真撮れていません。

食べ終えたら、室堂へ向かいました。

室堂

11:30ようやく到着しました。
直ぐにスマホの急速充電(1階郵便局と階段の間)をし、その間の30分待機します。

当日たまたま展望デッキでストリートピアノのイベントがやっていました。

TBS 【THE TIME’ 】出演中でクレヨンしんちゃんの歌マネで有名なまなまるさんのイベント時間に居合わせる事が出来、綺麗な音色にとても癒され、楽しい時間を過ごせました。

帰りの便

扇沢(長野)に帰る為のチケットを買いに、売り場に向かうと扇沢側は空いていますが、立山(富山)側は凄い列が出来ていました。

左が扇沢行。右が立山行。

立山にお帰りの際はお気を付けください。

また、写真奥にゴミ捨て場があります。
山行中のゴミを捨てることが出来ますが、くれぐれも分別をして捨てましょう!

まとめ

剱岳を長野県からでは、日帰りはアクセスの関係ですることが出来ません。
※富山県からは早月尾根ルートで健脚者ならば可能です。

また混雑時の鎖場渋滞に巻き込まれてしまうと、当日帰ってこれず2泊となってしまいます。
わたしは今回カニのタテバイには5:30にいました。
帰りの様子を見てみると6:30時点で7人待ちしていました。
7人待ちでもすんなり登れる方でしたらすぐに順番が来ますが、鎖場初心者の方ですとかなり時間がかかります。(百名山の為、このような方実際います)

このことから、出来る限り早く出発することをおすすめします。

そして

  • 三点支持で岩場を登れない方
  • 鎖を両手で持ってしまう方
  • 高所が怖い方

は、もう少し経験を積んでから挑むことをおすすめします。
周りの方からのプレッシャーを感じ、慌てて滑落事故。なんてことの無いように、無理は禁物です。

難易度

今回行った別山ルートは難易度としては、正直高くはないと思います。
それは、ザック(荷物)をデポして、軽身で挑めるからです。

前回行った不帰ノ嶮の方がテン泊装備で超える為、難易度は高いですね。

ヘルメットのすすめ

また今回の登山でもヘルメット着用していない方いらっしゃいました。
他人の落石から身を守る為にも是非着用して頂きたいです。

こちら商品は、着用率が本当に高いです。
お値段もお安く、Brack Diamond製品でしたら安心ですね。
わたしは頭が大きく入りませんが。。

コロナ前は百名山ブームでもっと渋滞が酷かったらしいですが、今はそれでも短いらしいです。
剱岳にご興味のあるお方は今がチャンスかもしれませんね。

以上、ご閲覧頂きありがとうございました。

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