ファミリーテント等のいわゆるキャンプ用のテントのシームテープの張替えはやられている方がいらっしゃいますが、山岳テントのシームテープ張替えは聞いたことがありません。
ということで、今回作業を行ってみましたので、記事にまとめます。
山岳テントとは?
登山用のテントのことで、背中に背負って持ち運ぶため軽量にする必要があります。
しかし、標高2000m・3000m地点は町より風が強く、時には雨が横殴りに降る場合もあります。
そんな過酷な環境下でも倒壊しない様に、生地を薄くするが強度を保つ。
また最新の生地・材料を使用するといった特殊なテントです。
このため、狭く必要最低限な1人用のテントでも5万円はする高価な代物です。
今回の修理テントはNIMOのTANI2P
日本の山岳シーンに合わせてアメリカのNEMOが本気で作ったフラッグシップモデルのテント。
およそ10年前に購入した山岳テントで、当時入荷すれば即完売の入手困難なものでした。
わたしは185cmと背が高いため、長辺220cmあるこのテントが特に使い勝手が良かったです。
また、全室も広く、2人用でも1.2kgと重量も軽く、非の打ちどころがありませんでしたね。
このテントで様々なテン場へ行った、思い出深いテントです。
今現在は、このオズモがタニの後継となっているようです。
現状
フライシート内側。
このようにシームテープの劣化が進み、少し触れるとポロポロとカスが落ちてくる状態です。
また、フライシートが若干ペタついてきています。
このシームテープのカスが食事内に落ちてきたら健康上良くないので、修理を考えました。
なぜセルフ修理をしようと思ったか?
購入から10年経過している為、本来は新規に購入がいいとは思います。
しかし、フットプリント(テントの下に敷くシート)やポールが全く壊れていないこと。
そして思い出があるので、やはり修理したいなと思いました。
そこでまずは、
次に
だったらと、同じテントを新規購入を考え、調べると。
70,000~90,000円!?
10年前の当時、55,000円で購入したため、インフレ・円安の影響かとても買えません。
なので、自分で修理をすることに決めました。
修理開始
シームテープを剥ぐ
まずはここからです。というよりもここが山場です。
まず用意するものが、クラフトテープ
ガムテープは粘着が強すぎる為、紙製のクラフトテープを用意しましょう。
シームテープが見えるよう、内側を上にして置きます。
シームテープの上からクラフトテープを貼ります。
そして剥ぐと、結構取れました。
しかし、1回では全て取りきることは不可能なので、残りは部分的に取っていきます。
残ったシームテープを剥ぐ
ここからは時間がかかるため、気長にやるしかありません。
クラフトテープを、シームテープが残っている部分にペタペタとし、地道に取ります。
コツは、上に剥いだり、右に剥いだり、テープをくっつけて剥ぐ方向を色々変えると、ある方向にはとてもよく取れることがあります。
また、感覚的に一辺(2M)取りきるのに30分ほどかかったと思います。
なので、毎日一辺ずつ作業をすると嫌にならずに、終えることが出来るのではないでしょうか?
終了です。
洗う
次にテント外側の加水分解のベタツキを抑えるためと、次の工程でアイロンがけをするためにも、洗います。
このテント用クリーナーで綺麗に洗っていきます。
キャップ1杯(50ml)に対し、約2.5Lの水で薄めます。
※製品ボトルの書いてある半分の量です。
次にテントを十分に濡らします。
スポンジに液をつけて、擦り洗いしていきます。
最後に水で入念に洗えば、終了です。
シームテープを貼り、アイロンで密着させる
乾いたら次はシームテープを貼っていきます。
こちら商品使用しました。
テント内側からシームテープを貼っていきます。
アイロン台に広げ、手ぬぐいを最初は2枚重ねで置き、アイロンの設定は「弱」。
シームテープを伸ばしたら、手ぬぐいを置き、アイロンで溶かす。といった具合に進めます。
不安な方は、3枚重ねからスタートしてもいいと思いますよ。
つけ忘れが無いように、全面付けて下さい。
撥水加工をする
最後に、テント表面の撥水処理をしていきます。
こちら商品使用しました。
テントを組み立てて、撥水材を吹きつけます。
満遍なく吹きかけて、乾かしたら終了です。
まとめ
シームテープ張替え作業いかがでしたでしょうか?
シームテープさえ剝がせれば、あとの工程は難しいことはありませんよね。
加水分解のベタツキも大分取れて、気持ちよく使えそうです。
張替え作業に使用する道具は高価なものはありませんし、大事に使えばテントは永く使用できます。
皆さんも是非挑戦してみて下さい。
大問題発生
フライシートに穴が!
先日、テントを建てた状態でペグを打たずに干していたら、突然の突風でテントが飛ばされ、砂利の上でテントが引きずられてしまいました。
恐れ恐れ見てみると、フライシートに穴が!
もう泣きそうです。。
とりあえずテントは片づけて、修理可能か?判断しました。
すると、穴を塞げるものを見つけました。
穴の空いたフライシート外側に、セロハンテープを貼ります。
フライシート内側から、シームグリップを用意し
そして内側からこのシームグリップを塗り、乾燥させてからセロテープを剥ぐと完成です。
目立ちにくく中々いいですね!
外側にセロハンテープを貼ることで、外側が平らに仕上がります。
正直、リペアシートは恥ずかしいなと思っていたので、この商品はありがたいです。
引きずった跡には
引きずった跡には、内側からシームテープで処理しました。
ただし、これらは応急処置なのでフライシートは今後修理か、新規購入か、新テント購入をしなければいけなくなってしまいました。
とりあえず、今シーズンはこのテントで山行を予定しています。
※先日このテントで北アルプスへ行ってきました。
明け方かなりの強風が吹いていましたが、テントは裂けることもなく何の問題も無く過ごすことが出来ました。
宜しければ山行記録も見てください。
また、もし新テントを購入しても、山岳テントはファミリーキャンプに十分オーバースペックなテントなので穴を塞いだ程度ならまだまだ使用することが出来ます。
そんな意味でも、フライシートに穴が開いてしまったテントは補修し、次の活用をするということもSDGzの観点からも重要なのではないでしょうか?
何より不注意でテントをダメにすることは気を付けましょう!
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
ご閲覧頂きありがとうございました。